自己破産とは
自己破産とは、借金を免責にする手続きです。
債務をチャラにする、まさにご破算にするというものです。
借金整理の方法としては、債務を払っていくことができないという支払不能状態にあるときに、選択する方法になります。
債務をゼロにするということで、任意整理などほかの借金整理手続きでは解決できない場合に選択する手続きです。
この「自己破産」というものは、世間一般的にものすごく悪いものというイメージでとらえられていますが、実はデメリットは皆さんが思っているほど大きくなく、世間の誤解とギャップがとても大きな手続きといえます。
自己破産の方法
自己破産は、裁判所を通して行う債務整理手続きです。
債務者の住所の管轄する地方裁判所に自己破産申立書を提出して手続きをします。
たとえば、名古屋市に住んでいる場合は、名古屋地方裁判所の破産係が管轄の裁判所になります。
自己破産の必要書類
自己破産の手続きに必要になる書類は、かなりの数が必要になります。
たとえば、
- 自己破産の手続開始申立書
- 陳述書
- 財産目録
- 債務増加の経緯を記載した書類
- 債権者一覧表(債権者の本店商号や契約金額・現在の債権額等を記載)
- 債権者から取り寄せた債権届出書
- 自己破産申立人の戸籍と住民票
- 預金通帳
- 財産書類(保険証券や自動車車検証など)
- 居住関係書類(不動産の登記簿謄本や賃貸借契約書)
など、ケースによってさまざまな書類が必要です。
これらの書類を、一般の個人の方が集めて書類を作成して自己破産申し立てをするというのは困難ですので、司法書士や弁護士に手続きを依頼するということがほとんどです。
自己破産のメリットとデメリット
自己破産をすることで、メリットがある一方、デメリットもあります。
ただ、世間で言われている自己破産のデメリットは、誤解も多くありますので、嘘の情報に流されないようにしてください。
自己破産のメリットは、現在の借金・債務が免責されるという点が最大のメリットです。
返しても返しても終わらない借金の負担から解放され、気持ちを新たに、人生をやり直す、再スタートすることができます。
自己破産のデメリットは、信用情報に自己破産の情報が登録されるため、今後数年間借り入れやローンを組んだりすることが難しくなります。
また、自己破産の手続きをしたということが官報に掲載されます。
また、現在の仕事内容によっては、一度退社する必要がある場合もあります。
たとえば、他人の財産を扱うような仕事として、以下のような業種です。
- 士業である弁護士、 司法書士、税理士、公認会計士、 弁理士
- 公証人
- 宅地建物取引業者
- 証券会社外交員
- 質屋、 古物商
- 保険関係で生命保険募集員、 損害保険代理店
- 警備員
自己破産の誤解と嘘
しかし、世間で言われている自己破産のデメリットとして、銀行口座が作れなくなる、生活に必要な冷蔵庫やエアコンやテレビを取られる、賃貸で部屋を借りれなくなる、戸籍に記載される、選挙権がなくなる、というのはすべて誤解です。
家族が借金の連帯保証人になっていなければ、借金に関係ありませんので、家族に対して借金の請求や督促がいくこともありません。
自己破産というと、知識のない方から人でなしのように言われることがありますが、自己破産は法律で認められた正式なやり直しのための手続きです。
借金のことで自殺をしたり、夜逃げをしたりする方がいらっしゃいますが、そんな必要はまったくありません。
借金が原因で命を絶ったり、知らない土地に夜逃げをするくらいなら、自己破産を選択してください。
世間の人が言う嘘や偽の情報や誤解、無責任な情報にだまされないように、まずは司法書士や弁護士などの専門家にご相談ください。
借金の相談を受ける周りの方へ
身近にいる大切な家族や、信頼できる友人から、借金の相談を受ける、ということが、もしかしたらあるかもしれません。
借金のことは、なかなか人に言いづらいことです。
その相談を、あなたにしたということは、あなたはその方からとても信頼されているということだと思います。
借金の相談、特に自己破産の相談に対して、なんとか自己破産だけは回避してもらおうと、自分の必要な生活費を削ってお金を貸したり、連帯保証人になったりする方もいらっしゃいます。
しかし、自己破産の制度自体は、人生が終わってしまうというような大変なことではありません。
逆に、世間一般で言われているような間違った情報で判断することは、非常に危険なことです。
自分自身のことでなくても、ご相談は可能です。たとえば、友人から借金の相談を受けているので、アドバイスを聞きたいというご相談も多くあります。
相談は無料ですので、抱え込まずに、相談していただければ幸いです。
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